香港
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香港
中華人民共和国香港特別行政区、通称香港(ホンコン)は、中華人民共和国の特別行政区の一つであり、東京、パリ、シンガポールなどと並ぶ有数の世界都市である。
概要
1842年の南京条約などにより清からイギリスに割譲された土地と租借地で、
- 以降はイギリスの植民地となったが、
- 1997年7月1日に、イギリスから主権移譲され、特別行政区となった。
古くから東南アジアにおける交通の要所であり、また、自由港であることからイギリスの植民地時代から金融や流通の要所でもある。さらに様々な文化が交わることから、中華文化圏のみならずアジアでも有数の文化発信地となっている。
- また、ショッピングや食通の街として栄えているということもあり、
- 世界中から観光客が訪れる。超高層ビルが立ち並ぶ近代的な街並みだけでなく、
- 離島や郊外の丘陵地帯などの自然に触れられる場所などの様々な見どころが、
- 領地が狭いために隣接しているのが特徴である。
- また、マカオや深圳市などの近隣地域と組み合わせて観光するケースも多く見られる。
2008年、グローバリゼーションと世界都市の研究グループおよびネットワーク(GaWC)により、香港は第1級世界都市+に選ばれている。
また、アメリカの外交専門誌フォーリンポリシーによる世界都市インデックスでは、ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京に次ぐ世界第5位との評価を得ている。
地理
現在の「香港特別行政区」は、香港島、九龍半島、新界及び周囲の南シナ海に浮かぶ235余の島を含めた地域を指す。面積は東京23区の約2倍程度。
- ランタオ島(大嶼山)は領域内で最大の島であり、
- 香港島の約2倍の面積を持ち、香港国際空港の空港島が隣接している。
- 2005年9月には島内にディズニーランドが開園した。
- 香港の地形は全体に山がちであり、最高点は標高958メートルの大帽山である。
- 中華人民共和国本土との境辺りを除き平地は少なく、
- 主なものに元朗平原があり、付近の海岸には湿原がある。
気候
温帯夏雨気候(サバナ気候 - 温暖湿潤気候移行部型)に属し、
- 秋・冬は温暖で乾燥しており、
- 春・夏は海からの季節風と熱帯低気圧の影響で高温湿潤という気候。
経済
1970年代からは、香港政庁が
- 新界の住宅団地開発や
- 地下鉄建設など
- インフラ建設を開始し、
香港経済は急速な発展を遂げる。
そして、1970年代後半になると
- 労働コストの上昇や
- 工業用地不足などの問題
にも直面し始めた。
しかし、中華人民共和国の改革開放を受け、1980年代、
1997年の主権移譲後も中華人民共和国本土への依存は深まり、2003年には中国本土・香港経済連携緊密化取決めの第一段(CEPAI)が中華人民共和国本土と香港の間で調印され、その後も補充協議が実施・締結されている。さらに広東省のイニシアティブによる汎珠江デルタ協力(9+2協力)にも参加している。
- イギリス時代から高度に整備された民法と
- 税制上の優遇措置、
- 高い教育程度と
- 豊富な英語人口などから、
オフィスや住宅の家賃がアジア地域のみならず世界でも最も高いとされる。
にもかかわらず、多くの欧米企業は中華人民共和国や日本を含む東アジア全域またはアジア全域を管轄する地域統括本部を香港に設けることが多い。
地価が高いこともあり、香港は同じアジア有数の都市国家であるシンガポールと共にかなり物価が高く、商品や為替状況にもよるが、東京の物価や家賃を上回ることもある。
また香港、マカオ、シンガポール、ブルネイは購買力ではすでに日本を抜いている。
金融
2010年3月、シティ・オブ・ロンドンが公表した金融センターランキングによると、香港はロンドンとニューヨークに次ぐ、世界第3位の金融センターであり、アジアでは第1位である。
- 世界第1位の金融センター : ロンドン
- 世界第2位の金融センター : ニューヨーク
- 世界第3位の金融センター : 香港
アメリカのタイム誌も、香港をニューヨーク、ロンドンと並ぶ三大金融センターと評価している